なつやすみ
No Baggage: A tale of love and wandering
という本がある。オーストラリアでワーホリをしていて帰国憂鬱モードに入っていたときに図書館で目に入ったのを無視して外に出たのに忘れられなくて引き返して借りて読んでみたらあまりにも好きすぎたので買って帰ったという思い入れのある本。
ざっくり言うとネガティブ思考が過ぎて精神不安定になりがちな筆者(テキサス在住)が適当で楽観的な男性と出会いふたりで手ぶらでイスタンブール発のヨーロッパ旅に出て行き当たりばったりの毎日に戸惑いつつもインスタグラマーたちを小バカにしながらすれ違う人との関わりやリスクしかない無目的な挑戦を少しずつ味わえるようになっていく実話(らしい)。
私はこの本が本当に好きで三大愛読書のひとつとしている。筆者の思考回路が自分とそっくりなだけでなく相手の男性のそれが当時の彼氏そのままだった影響もなくはないというのは秘密。
ちなみに最も好きな文章は、
"In retrospect, it's easy to forget how much of travel is spent gazing -not at jaw-dropping monuments or museum exhibits- but out the dusty, scratched windows of boats, buses, planes, and trains. Travel is a constant state of suspension in spaces that are neither here nor there, but somewhere in between."
この本を見かけたことは帰国してから一度もなかった。それが先日紀伊国屋書店新宿本店の洋書コーナーをぶらついていたらなんと平積みになっているではないか。嬉しさと寂しさが入り交じってうっかり買いそうになって好きな一文たちを脳内反芻しつつピカデリーに向かいながら思った。
イスタンブール行こう
そうだ、イスタンブール行こう
アメリカ留学時代にトルコ出身の親友ができた私にとってそれから四年間トルコはずっと圧倒的な行きたい国ナンバーワンだった。行けずにいた理由は色々ある。治安とかお金とか休みとか。
けどもうええわ
近所のコンビニに向かってる途中だって事故って死ぬかもしれんのにテロテロうっさいで?んなこと言ってる間にババアになんねんぞ?つーかてめえの親友そこに住んでんやぞ?
もっと最悪なんが金がないとか十分な休みが取れやんとか?ハァ?ほんましょうもないねんけど?会いたい人に会うための休みも取れやん仕事なんか辞めてまえ?
そんなわけでシフト勤務の新卒二年目、なつやすみ七連休の希望を出してみた。
さあ、大変になる。ただでさえ仕事が追いついてない日々。これだけ休ませていただくとなると前後の仕事量は想像するに及ばない。けどトルコ行けるよ?会えるよ?頑張れない?
頑張れるううう
なんかもう自ら窮屈な方に追い込まれにいくのは止めよう。やれることはちゃんと必死こいてやってそれでもダメならごめんなさい!って言おう。仕事は好きだしやりがいも感じるけどそれが私の全てではない。Baggageになるくらいなら捨ててしまうくらいのつもりでいい。もっと自由でいい。
Eat, Pray, LoveのElizabeth Gilbertだって
"But why must everything always have a practical application? Is this lifetime supposed to be only about duty?"
って言ってる。それな。
そんなわけでなつやすみはまだ承認されてないけど親友にも行くよ!と言ったので行く。I always have a bed for you!という彼女の台詞に一人で行くなんて言ってないのにバレてると気づいて笑った。
ゴールドコースト、ホーチミン、ソウル、マドリード、トレド、バレンシア、バルセロナ、パリ、チューリッヒ、ミラノ、ヴェネチア、ローマ、メキシコシティ、グアナファト、メリダ、カンクン、サンディエゴ、ラスベガス、ロサンゼルス、ティファナ、サンアントニオ、ニューオリンズ、ワシントンDC、ニューヨーク、シカゴ、サンフランシスコ、ハバナ、トリニダ、ブリスベン、シドニー、メルボルン、バリ、台北、
待ってて、