ただの私の脳内

音楽と映画と本と旅と語学

there

 

仕事の関係もあり海外経験について訊かれることの多い今日このごろ。昨夜のアナザースカイから受けた多少の影響には気づいてないふりをして少し振り返ってみることにする。

 

よく勘違いされるのだが私は帰国子女でも何でもなく世間一般で言う「海外(=白人)文化に慣れ親しんで育った人」では全くない。近所に暮らす在日コリアンのみんなとか斜め前の家のお姉さんが結婚した黒人男性とか車工場で働いていた母のブラジルやペルー出身の同僚たちとの交流はあったのだが、ジャズやブルースを愛して止まない両親の影響も受けたが、そんな中の下くらいの経済力の高卒家庭らしいエピソードばかりで海外に行くなんて夢のまた夢であった。

 

そんな私が英語に出会い異文化に憧れ日本だけが世界ではないと知ってから今に至るまでに訪れた場所を語りたくて仕方ないあらゆるエピソードをとにかく無視しまくってシンプルに並べてみた。一都市につき一枚の写真を選ぶために要した時間については考えたくない。

 

オーストラリア(2009.10)

16、高校の研修旅行、初海外、ホームステイ

 

ゴールドコースト

三才のホストシスターがグミを喉に詰まらせて死にかけてたけどもう中学生になったらしい。

 

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「オレンジジュースが大きくて海外ドラマみたい」

 

ベトナム(2011.12)

18、最初で最後の母とふたり、初個人旅行

 

ホーチミン

つまらない旅というのは人との出会いがないものだと十代のうちに知れてよかった。


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「発展途上ってこういうことか」

 

韓国(2012.3)

19、大学の友人とふたり、初自費

 

ソウル

タッカンマリ屋さんで隣のおじさんたちが熱心に話しかけてくれたけど、ごめん「サッポロ」しか分からなかった。


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「商業主義に呑まれた」

 

ヨーロッパ(2013.3 - 4)

20、初一人旅、初長旅、初バックパック

 

マドリッド

ホイップクリームが山盛りのココアと一人で格闘してるとき運んできてくれた店員のお兄さんが遠くから笑いながら見てたこと、私、知ってる。

 

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「ヨーロッパみたいな建物がある」

 

バレンシア

バスを間違えて運転手さんにめちゃくちゃ迷惑をかけてスペイン語で怒られまくった。トラウマ。


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「なるほど海外で迷子になるとはこういうことか」

 

トレド

日本に来ていた留学生(イケメン)に案内してもらったら顔が広すぎてどこでもタダで入れた。教会について色々と説明してくれたけどあんまり興味ないから忘れた。

 

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マクドナルドってどこにでもある」

 

バルセロナ

ホステルで日本人バックパッカーの方々と同室になって二段ベッドでワインを飲みながら旅について語り合った。

 

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「どうも時間の進み方が違うようだ」

 

パリ

声をかけてきた兄ちゃんとモデルごっこして写真を撮り合うことに七時間のパリ滞在を捧げた。

 

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「おお、それっぽいぞ」

 

チューリッヒ

なんでこんな極寒の地にわざわざ遠回りしてんのかなバカなのかなって思ってたらタクシーの運転手さんになんで女ひとりで旅してんのバカなのって怒られて心が折れた。

 

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「寒い」

 

ミラノ

安宿のおばちゃんが毎朝ちゃんとマシンを使って淹れてくれるカフェラテが沁みた。逆に言うとそれしか癒しがなかった。


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「金持ちばっか見てると疲れる」

 

ローマ

ホステルで同室になった英語が全く話せないイタリア人女性とそれでも心が通じ合うほど世の中は甘くない。

 

そして心が折れていたので写真もない。

 

メキシコ(2014.5)

21、留学中の友人めぐり、念願のラテンアメリカ

 

メキシコシティ

ホステルで出会ったひとつ上の日本人女性が友達の友達だった。ふたりはケニアで出会ったらしい。


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メキシコシティは鼻がムズムズする」

 

グアナファト

またもやバスを間違えて半日ほどターミナルで暇をもて余したのでそこら辺にいた少年とにらめっこして過ごした。


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「グアナファトは鼻がムズムズしない」

 

メリダ

大学の相方がすっかりこの街に馴染んで流暢にスペイン語を話すのを理解してるふりして眺めてた。

 

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「メキシコは危ないって誰が言ったの」

 

小旅行:ウシュマル&セノーテ(ヴァジャドリッド)

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「テンプルラン…?」

 

カンクン

屋台のおじさんが金払ってないぞって追いかけてきたけど払ったじゃんかって説明したら思い出してくれて全力で謝られた。


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「青い」

 

アメリカ留学(2014.5 - 2015.1)

21 - 22、中学時代から憧れ続けたカリフォルニア

 

サンディエゴ

脳内に浮かぶ顔がこんなにもたくさんあることを誇りに思う。


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「来たよ」

 

ラスベガス

帰りの車でのトルコ×サウジアラビア×イタリアの宗教談義は忘れない。


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「What happens in Vegas stays in Vegas」

 

オレンジカウンティ

世界中を数ヶ月ごとに移動している日本人女性と共に過ごしたたかが数時間のこと、彼女は覚えているのだろうか。


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「言葉にしなくていいときもある」

 

ロサンゼルス

彼氏しか視界になかった。


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「あれもこれも実在しているとこの目で確認したことが良いのか悪いのか分からないけどもう見てしまった」

 

ティファナ

タコス屋のおっちゃんが熱心に作り方を教えてくれたジュースの名前をどうやら私はもう忘れたようですごく悲しい。


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「国境って本当に何なの」

 

アメリカ一周(2015.1 - 2)

22、過去一の長旅、過去一の貧乏旅

 

サンアントニオ

早朝に着いてホテルに荷物だけ預けて一日歩き回る予定だったのが朝っぱらから部屋に入れてくれてシャワーを浴びさせてくれたのが本当に気持ちよくて今でもシャワー浴びながらフロントのお姉さんの顔を思い出すときがある。嘘


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「(自分も含め)観光客って基本アホっぽい」

 

ニューオリンズ

ホステルに居座ってる感じの綺麗なブロンドのお姉さん、毎朝バナナ食べてた。


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「この街を訪れたことがないのに音楽好きを名乗っていた自分が恥ずかしいという感情が恥ずかしい」

 

ワシントンD.C.

ホステルで二段ベッドの私の下に居たおばさんずーっとパソコンしてたけど何者だったんだろう。大雪になるよって教えてくれてありがとう。


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アメリカとは」

 

ニューヨーク

チェルシーのホステルの地下の二人部屋で仲良くなった一つ年下のオーストラリア出身のめちゃくちゃ可愛い子がモデルだと後に判明した件について。


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「どうしよう、ニューヨークだ」

 

シカゴ

ライブハウスでブルースを歌うおばちゃんがステージ上からこっちに来いとめっちゃ呼んできたけど日本人らしく躊躇ってしまった。


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「さっきから雲行きが怪しい」

 

番外編:シカゴとサンフランシスコの間のどっか


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「え?」

 

サンフランシスコ

パンダエクスプレスに並びながらくしゃみをしたらそこら辺に居たおじさんがBless youと言ってくれた。


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「将来ヒッピーかレズビアンになったら戻ってくるわ」

 

メキシコ&キューバ(2016.1 - 2)

23、ゼミ卒業旅行、現地集合現地解散

 

メキシコシティ

先に着いた友達がBienvenida(ようこそ)の紙を持って空港で待っていた。一人の時間が多かった一度目とは景色が違った。


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「会いたかったよ、タコス」

 

ハバナ

宿が二組に別れていたから道端で喋っていたら通りすがりの車の窓が開いておっちゃんが¡Tengan buen día! (Have a good day!)とだけ言って路地裏に走り去っていってみんなで唖然とした。


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「写真ばっか撮ってられないね」

 

トリニダ

モヒート屋さん(ではないけど)でサルサに誘ってきたお兄さんと翌日に山奥の滝で再会した。


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キューバも広いね」

 

カンクン

ホステルで隣の二段ベッドの上段で繰り広げられる男女の営みの喘ぎ声に起こされ翌朝ダイニングでブロンド美女に「昨夜はごめんねー」と言われた。


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「今さ、マクドナルドを見てホッとした自分が居る」

 

小旅行:トゥルム

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「結論、メキシコってすごい」

 

オーストラリア(2016.4 - 9)

23、ワーホリ、初海外収入

 

ブリスベン

脳内に浮かぶ顔がこんなにもたくさんあることを誇りに思う。part. 2


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「日常とは」

 

小旅行:ゴールドコースト

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「全部、覚えてる」

 

シドニー

ブリスベンの友達の紹介で初対面の子にあちこち連れ回してもらったけど私ってそんなことするタイプだっけ。


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「オペラハウスがどうこうって話ではなくて」

 

メルボルン

サンディエゴのダンスのクラスが一緒だったマレーシア出身の子と会ってみたらなんかお互い大人になってた。


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「素直に好き」

 

小旅行:グレートオーシャンロード

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「今日ずっと空と海と岩しか見てない」

 

インドネシア(2017.7)

24、初のOL旅行、でも一人

 

バリ

帰りの空港までのタクシーが渋滞していて運転手さんにたくさんインドネシア語を教えてもらったけど覚えているはずもなく。


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「何もしない歓び」

 

台湾(2017.11)

24、久々に友人との旅行、なんとバックパックでなくスーツケース使用

 

台北

地元の人に人気の朝ごはんのお店に行ったら全然言葉が通じないのにお兄さんずっと頑張って説明してくれた。そして最終的に分かった。


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「漢字に感謝」

 

トルコ(2018.6)

25、留学のときの親友に会いに初の中東

 

アンカラ

四年ぶりの再会を果たした数十分後に親友と語り合った「それで多少は苦しくなっても自立した女性で在りたい」


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「変わってない」

 

イスタンブール

ホステルの兄ちゃんが教えてくれたモスクがあまりにも居心地よくて私が何時間そこに居たか知ったらきっとびっくりするよ。まあ、自分でも覚えてないのだけど。


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コーランの音なんて今まで知らなかった」

 

 

つづく

 

 

あのときのように一瞬を味わっていれば。あのときのように何もかもを新鮮な目で見ていれば。あのときのように何も知らない子どもみたいに他人と関わる時間を持てていれば。きっとそこに生まれる思いは「あのときに戻りたい」ではないはず。

これだけつらつらと書いたことの中には受動的なものなんて何ひとつなくて私の選択でしか構成されてなくて。こうして並べると「うわあ、いっぱい行ってるな」くらいに見えても学生のときは一度の旅行のために前後は十連勤だったりパスタ生活だったり。今は今で休みを取るためにしなければいけないことが山積みだったり。それなりに必死こいて旅で得られる何かを掴もうとしてきた。

 

なんか、26を目前にして30なんてあっという間なんじゃないかって怖かったりもするけどあの見切り発車もいいところのめちゃくちゃな初一人旅が20代の始まりだと思うとそこから今日までって随分と色んなことを経てきた。そしたら今日から30までも意外としっかりじっくり時間はあるのかもしれない。とか。

 

それで?って思われそうな話。旅に興味ない人にとってはどうでもよくて、旅に慣れた人にとっては何ということもなくて、そんな話を脳内で抱きしめて私はいつも頑張ってる。

 

それで?って思う人には関係のない話。